ボクシング

パンチのキレは「引き」で決まる!元ボクサーが教える、効くパンチの作り方

こんにちは!岡崎でボクシングジムを経営している、元ボクサーのみきやです。

今回は、パンチの「キレ」について、その秘密を解き明かしていきます。多くの人が、ただパンチを打つことだけに集中しがちですが、実は、意識すべきはパンチを打つことと同じくらい大切な、パンチを「引く」ことなんです。

「強く打とうとしているのに、パンチが重くならない…」 「コンビネーションがスムーズに繋がらない…」

そんな悩みを抱えている方は、もしかしたらパンチが“押しパンチ”になっているのかもしれません。この記事を最後まで読めば、あなたのパンチは「ただ当てるパンチ」から「効くパンチ」へと生まれ変わるはずです。


 

なぜパンチは「引いた方がいい」のか?

ボクシングを始めたばかりの頃は、パンチを強く打つために、無意識のうちに体が前に出てしまうことがあります。頭が前に突き出し、腰が流れて、パンチが相手をドーンと押すだけになってしまう、これが俗に言う「押しパンチ」です。

この打ち方では、次のような悪循環に陥ってしまいます。

  • 次のパンチに繋がらない:体が前に突っ込みすぎると、バランスを崩してしまい、スムーズに次のパンチを打つことができません。

  • カウンターをもらいやすい:パンチを打ち切った後に体が無防備になり、相手の反撃をもらってしまいます。

  • パンチに重みが出ない:腕の力だけで押しているため、体重や腰の回転といった、パンチの威力を生む力が使えません。

そこで、私が大事にしているのが、「パンチは引いた方がいい」という考え方です。


 

「引き」の感覚を掴むための例え話

パンチの「引き」の感覚は、言葉で説明するよりも、イメージで捉えた方が分かりやすいです。

例え話1:ムチの動き

ムチを想像してみてください。ムチは前に出す動きよりも、引く動作によって「ビシッ!」という鋭い音と強烈なインパクトが生まれますよね?

パンチもこれと全く同じです。パンチは出して終わりではありません。引く動作が、パンチのキレと威力を生み出す鍵なんです。

例え話2:お風呂のタオル

もっと身近な例でいきましょう。あなたは、温泉やプールで友達のお尻をタオルで「パチンッ」ってやったことはありませんか?

あれってタオルを出す勢いもそうですが引きの勢いのが大事ですよね!

出すだけじゃダメなんです。引かないとパチンってならないんです。

パンチもこれと同じです。押すパンチではなく、この「風呂のタオル」のように引くことを意識して打つことで、パンチにキレと重みが出てきます。


 

「引き」のベストタイミングをマスターする

「引きが大事」と言うと、中にはパンチが伸び切る前に引いてしまう方がいます。しかし、それではせっかくの威力がパンチに乗りません。

お風呂のタオルでお尻を叩くときも、勢いよくの、まさにその瞬間に引くから音が鳴るのと同様に、パンチも伸び切った瞬間に一気に引くことが、最大のインパクトを生むコツです。

このタイミングをマスターすれば、あなたのパンチは以下の2つのように変わります。

  1. 相手にパンチが「効く」: パンチの威力が上がり、相手に与えるダメージが大きくなります。

  2. 被弾しにくくなる: パンチを打った後すぐに引くことで、ガードを元の位置に戻す時間が短くなり、相手の反撃をもらいにくくなります。


 

「引き」を意識した練習法

この「引き」の感覚を養うには、日々の練習で意識的に取り組むことが大切です。

  • シャドーボクシング: 鏡の前で、自分のパンチを客観的に見てみましょう。パンチを打った後、すぐに元の位置に引けているか、体が前に流れすぎていないかを確認してください。パンチを打つことと同じくらいのスピードで、腕を戻すことを意識することが重要です。肩も戻してくださいね

  • スローモーションでの反復練習: パンチをゆっくりと打ち、パンチが伸び切った瞬間に、素早く引く動作を繰り返してみてください。この練習を繰り返すことで、体が「引き」の正しいタイミングを覚えてくれます。

  • タッチマス(タッチマスボクシング): 相手の体にグローブで「触れる」だけのマスボクシングです。この練習では、強く打つことよりも、いかに速く相手に触れて引くかが重要になります。力を抜いて、素早くパンチを出し、すぐに引くという感覚を養うのに最適な練習です。

「キレ」をさらに高めるためのトレーニング

パンチの「引き」の感覚を養うだけでなく、それを支えるためのフィジカルトレーニングも重要です。

  • チューブトレーニング: チューブを柱などに固定し、パンチを打つように引く動作を繰り返すことで、パンチを引く筋肉を鍛えることができます。

  • ダンベルシャドー: 軽いダンベル(1~3kg)を持ってシャドーボクシングをすることで、パンチのスピードを上げる筋力をつけられます。ただし、重すぎるダンベルはフォームを崩す原因になるため注意が必要です。


 

最後に:意識を変えるだけで、あなたはもっと強くなる

パンチの「引き」を意識するだけで、あなたのボクシングは確実にレベルアップします。

特別な道具も、難しい技術も必要ありません。ただ、「引く」という意識をパンチに加えるだけです。

ぜひ、次回のトレーニングから「引き」を意識して、あなたのパンチがどう変わるか、自分の体で感じてみてください。

▶️ 実際の動きは動画でチェック!

今回お話しした「パンチのキレ」や「引き」の感覚は、文章だけでは伝わりにくい部分もあると思います。YouTubeやInstagramでは、これらの技術を分かりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

みきやファイティングビー岡崎のYouTubeはこちら 

Instagram: @mikiya1997

皆さんが普段パンチを打つときに意識していることがあれば、ぜひコメントで教えてくださいね!

 

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