こんにちは! 岡崎でボクシングジムを経営している元ボクサーのみきやです。
今回は、パンチの中でも特に奥が深く、試合の流れを大きく左右する「ボディブロー」について解説します。ボクシングは頭を打つスポーツだと思われがちですが、このボディが実は非常に重要です。
なぜなら、ボディブローは相手のスタミナを奪い、動きを止め、試合の主導権を握るための決定的なパンチになり得るからです。
特に今回は、私が選手時代から得意としていた「左ボディブロー」に焦点を当て、その威力を最大限に引き出すための極意をお伝えします。
ボディは試合を制する戦略パンチ
ボディブローは、単に相手を倒すだけでなく、さまざまな戦略的な役割を果たします。
- スタミナを削る: 腹部へのパンチは内臓にダメージを与え、相手のスタミナを徐々に奪います。試合の後半になればなるほど、その効果は顕著に現れます。
- 動きを止める: 強いボディブローは、相手の動きを一瞬、あるいは長時間止めることができます。その隙に、次のパンチを打ち込むチャンスが生まれます。
- ガードを下げさせる: 意識的にボディを攻めることで、相手は頭部だけでなく腹部もガードしなければならなくなります。これにより、顔面のガードが手薄になり、顔へのパンチが当たりやすくなります。
このように、ボディは試合を有利に進めるための重要な武器なのです。
左ボディの極意:ダッキングで「タメ」を作る
ボディブローの威力を高めるためには、パンチに体重を乗せることが不可欠です。フックと同様に、ダッキングを使って「タメ」を作ることが、より強い左ボディを打つための重要なポイントになります。
- 前足に体重を乗せる: パンチを打つ前に、一度前足(オーソドックスなら左足)にしっかり体重を乗せます。
- ダッキングで体を沈める: 体を沈めることで、下半身のエネルギーを溜めます。
- 反動を使ってパンチを打つ: 体を沈めた反動を使い、腰の回転とともにパンチに体重を乗せます。このとき、前足にかけた体重を、そのまま相手の腹に伝えるようなイメージで打ち込みましょう。
この一連の動作によって、バネを縮めてから解放するような勢いが生まれ、ただのパンチでは出せない重みと破壊力を生み出すことができます。
時と場合によるため、身体を倒さず最低限のモーションで打つボディの練習も必要となってきます。
実戦での活用法:カウンターとコンビネーション
ダッキングからのボディブローは非常に強力ですが、予備動作が大きくなるため、単発で打つと見切られやすいという弱点があります。
そのため、実戦では工夫が必要です。
- コンビネーションに混ぜる: ワンツーやジャブからのコンビネーションに混ぜることで、相手のガードが上がった隙を突くことができます。
- 右ストレートのカウンターで打つ: 相手が右ストレートを打ってきたとき、ダッキングでかわし、そのまま左ボディを打ち込むのは非常に効果的です。相手はパンチをかわされた上に、カウンターでボディを打たれるため、精神的にも大きなダメージを負います。
これらの活用法を練習に取り入れることで、ボディブローの成功率が格段に上がります。
練習に「工夫」を持ち込む
ただ漠然とサンドバッグを打つだけでは、技術は向上しません。常に「なぜこの動きをするのか?」「どうすれば当たるか?」と考えながら練習することが、何よりの近道です。
- サンドバッグでタメを作る練習: サンドバッグを相手に、ダッキングからの左ボディを何度も反復練習しましょう。身体の沈み込みからパンチへの連動性を体に覚え込ませてください。
- シャドーでイメージを固める: 鏡の前で、実際に相手がいることを想像しながらシャドーを行いましょう。相手のパンチをダッキングでかわし、左ボディを打ち込む動きを繰り返すことで、実戦で体が自然に動くようになります。
まとめ:ボディは「嫌がられる」からこそ強い
左ボディブローは、選手時代から私の得意パンチでした。うまく当てられると、相手は非常に嫌がります。
「ああ、効いたな」という反応を相手から引き出せると、試合の流れは一気にこちらに傾きます。
ぜひ、今回ご紹介した「ダッキングからのタメ」を意識して、左ボディの練習をしてみてください。あなたのパンチが相手に「嫌なパンチ」として認識されるようになれば、それはあなたの技術が上達した証です。
練習、一緒に頑張りましょう!
▶️ 実際の動きは動画でチェック!
今回お話したボディブローの技術は、動画で見た方がイメージしやすいです。これらの技術は、YouTubeやInstagramでも解説しています。
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