ボクシング

【有料級】パンチスピードとコンビネーションの極意|ワンツーフックと回転力の秘密

こんにちは!岡崎でボクシングジムを経営している、元ボクサーのみきやです。

今回は、フォロワーの皆さんから大好評だった「パンチスピードを上げるコツ」を再公開します。さらに、その理論を実践に応用した「ワンツーフック(1-2-3)」の打ち方についても詳しく解説します。

今回の内容は、まさに「有料級」の極意です。ぜひ何度も読み返して、あなたのボクシング技術を次のレベルに引き上げてください。

パンチスピードの概念を変える「バトンパス理論」

パンチスピードと聞くと、あなたはどんなイメージを持ちますか?多くの人が、1発1発のパンチを速く打つことだと考えがちです。しかし、実はそれだけでは不十分です。

私が考えるパンチスピードの極意は、陸上競技のリレーのように「パンチをリレーのように繋げて速くする」という概念にあります。

  • 1発ずつパンチを“分けて”打つ
    • 例えば、ジャブを1秒、ストレートを1秒で打つと、合計で2秒かかります。
  • パンチを“繋げて”打つ
    • ジャブを打ち終える前にストレートを始動させれば、合計タイムを2秒ではなく、「1.5秒」に短縮できます。

これが、私がパンチスピードが速いと言われる理由です。パンチ単発が速くなくても、この「バトンパス」がうまくできるようになれば、コンビネーション全体のクオリティが爆発的に向上します。

なぜ単発パンチより「連打」が重要なのか?

このバトンパス理論がなぜ実戦で重要なのかというと、「単発パンチでは相手に当たらない」からです。

プロレベルになればなるほど、パンチはフェイントを使ったり、上下左右に散らしたりしないと当たりません。世界のトップ選手でさえ、パンチのヒット率は50%以下。つまり、半分以上は「当てるためのパンチじゃない」のです。

この事実を理解していないと、初心者の方は「全部当てなきゃ!」と力んでしまいます。しかし、力任せにパンチを打てば、コンビネーションが硬くなり、逆に当たらなくなってしまいます。

「見せパン」がコンビネーションの質を変える

上手い選手ほど、この「見せパン」を多用します。

「見せパン」とは、当てるためのパンチではなく、相手に見せる、誘う、惑わすためのパンチです。

私は、この見せパンをうまく使い、高速で打ち込むコンビネーションを「回転力」と呼んでいます。そして、これが私の強みです。

回転力を上げるための最も重要なポイントは、「すべてのパンチを全力で打つことをやめる」ことです。いくら身体を鍛えている選手でも、全部全力で打つと体がブレてしまい、連打は遅くなります。

「見せパン」を使ったコンビネーション例

具体的な例で考えてみましょう。

4つのパンチの連打を打ち、最後の4発目の「右ストレート」を当てたいとします。

このとき、最初の3発は完全に“見せパン”でOKです。力を抜き、スピード重視で、手打ちでも構いません。

1-2-3(見せパン) → 4(本命のパンチ)

という流れで打ちます。これは、「右ストレートを当てるために、先に3つの見せパンを打つ」という考え方です。

実践編:ワンツーフック(1-2-3)の極意

ここからは、パンチスピードの極意を応用した、ワンツーフックの打ち方について解説します。

フックを溜めてから打つ方もいますが、私の場合は、ワンツーと同じテンポでフックまでを打ち切ります。

  1. ツーを打ち切らない: ストレート(ツー)を完全に打ち切る前に、フックの準備を始めます。ストレートを引く動作とフックを打つ動作を連動させるイメージです。
  2. 円を描くように回す: ストレートを打った後、引いた左の腰を素早く返すことで、円を描くように左フックを返します。この円運動が、次のパンチへのスムーズな移行を可能にします。右の肩も引き込むイメージだと尚良し。
  3. 遠心力を利用する: 腰の回転による遠心力を利用して、フックに体重を乗せます。体重は左足から右足へ移動させ、パンチにさらなる威力を加えます。

相手はワンツーに気を取られている間に、思いがけないタイミングで飛んでくるフックに反応することが難しくなります。このワンツーフックをマスターすれば、コンビネーションに幅が生まれ、実戦での成功率が飛躍的に上がるでしょう。

まとめ:パンチは「つなげる」もの

パンチは、1発1発で打つのではなく、コンビネーション全体としてのクオリティを上げることで、真の威力を発揮します。

  • パンチスピードは「バトンパス」: パンチを繋げて打つことで、コンビネーション全体の時間を短縮する。
  • 「見せパン」を活用する: 全てのパンチを全力で打たず、見せパンで相手を惑わし、本命のパンチを当てる。
  • 「スピードシャドー」で体に覚え込ませる: 理論を理解するだけでなく、反復練習で身体に染み込ませる。

もし、この記事で紹介した内容をさらに深く学びたい方は、私がまとめた『ボクシング教科書』も参考にしてみてください。

▶️ 実際の動きは動画でチェック!

今回お話した内容は、文章だけでは伝わりにくい部分もあると思います。YouTubeやInstagramでは、これらの技術を分かりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

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Instagram: @mikiya1997

皆さんの練習の工夫や、ボクシングに関する質問があれば、ぜひコメントで教えてくださいね!

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